いわゆる「教育改革」の名のもとに2020年度から2022年にかけ、小中高と学習指導要領が大きく改訂されました。学習指導要領は学校で何を教えるかという指針が書かれたもので、以前も定期的に改訂されてきましたが、情報化・グローバル化が進み社会そのものに大きな変革が起こりつつある昨今、大きく変える必要があったのです。

新学習指導要領を要約すると、育てたい資質・能力として「物事をきちんと考え、知識から根拠を持って判断し、相手にわかりやすく伝えられるようになる」が柱となっています。また、「主体的に学習に取り組む態度」も求められるため、自分の意見を表現するのみならず、他人の意見を聞き、考えの相違を認め、課題を解決していく力も重要です。

このような力は、土台となる知識があってこそ、です。ですから、私たちは教育に携わる者として従来の基礎知識も大切にしつつ、日々の学びと社会のつながりを持たせる教育が必要だと考えます。子どもたちが将来生きていく社会がどのようなものか定かではありません。それでも、子どもたちが自身の夢や興味をもちながら、よりよく楽しい人生を歩んでいけるよう、その礎となる力を磨き、鍛え、送り出してあげたいと思うのです。